2月1日 更新

 

絵と詩 雪に埋もれたコーヒー喫茶   岩永博史

    (オリジナルイラスト)

 

雪に埋もれた森を抜け、

ある村へ辿り着いた。

村の外れにコーヒー喫茶があった。

屋根にはどっさり雪が積もり、

店の正面だけが見えていた。

よかった営業中だ。

店に入るとストーブが暖かく燃えていた。

お客は私ひとりきりだった。

久しぶりに飲むホットコーヒーで身体が温まった。

 

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)

1月15日 更新

 

絵と詩 吹雪のあとの風景  岩永博史

    (オリジナルイラスト)

 

昨夜は猛吹雪だった。

朝、雪道を散歩した。

湖は厚い氷が張り、山も森も雪で真っ白だった。

歩道の電信柱は傾き、電線はカチカチに凍結していた。

今夜も吹雪だろうか。

凍てついた湖のほとりを歩き回った。

 

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)

 

1月1日 更新

 

山に癒されて   植松 誠明 

                                               

 この拙稿に目を止めてくださった皆様も、きっとそれぞれに心が癒される時や場所をお持ちのことと思います。私は子どもの頃から生まれ育った故郷の小さな山が好きで、しばしば山に入り特に何をするというでもなく歩き回っておりました。大人になって田舎を離れた後も、帰省する度に山に入り、時間を過ごすことが楽しみでした。

 20代後半から40代半ばまで、石川県の金沢市で仕事をすることになり、そこで高山に登ることを覚えました。石川には白山という2千メートルを超える名峰があります。そこに何度も登り、苦しみの後の何とも言えない爽快感に酔いました。娘が4歳の時に家内とともに3人で登り、夜間山小屋の外から見た満点の星、に感動したと何度も繰り返していました。この間、近県の富山や長野などの山々にもしばしば足を運び、時に登り、時に眺めて安らぎをいただきました。

 1990年、ご縁があってこの地舞鶴にやって参りました。知る人はなく、町も老人ホームのことも、運営管理の仕事も全く知らないままでの赴任でした。

 先ずは新しい環境に馴染もうと必死でした。その上に新法人の立ち上げとデイサービスセンターの新設業務も加わり、今、振り返ってもどう乗り越えてきたのか不思議に思うほどの苦悩でした。職員の皆さんの理解と協力があり、何よりも神様の大きな支えがあってやってこられました。

 ある時、しんどそうな私を見ていた中学生の娘が突然 「お父さん山行こう」 と声をかけてきました。山へ行けば少しは気分が晴れるのではと思ったのでしょう。その誘いに私は思い切って応じました。そして以前から行きたかった鳥取の大山に家族と登りました。久しぶりの山を存分に味わい、満たされた私は下山後も1週間以上心穏やかに過ごすことが出来ました。

 その後も疲れた時やしんどくなった時に思いは山に向かいます。

山に癒されて生きた人生でもあります。

 

石川県 白山 画像